頸部脊柱管狭窄症の治療で評判のある医療機関のうち、ここでは川崎市の関東労災病院について紹介します。
関東労災病院は、独立行政法人労働者健康福祉機構の運営する病床数約610床の病院。
日本の重要な工業地域・京浜工業地帯における、労働災害対策と地域医療の充実を目的に、神奈川県や川崎市、東急電鉄の助力のもと1957年に開院しました。
当初は内科・外科・整形外科・放射線科の4科でのスタートでしたが、その後の時代のニーズに応えながら拡充していき、現在では32診療科を構える地域有数の総合病院となっています。
そのうち、頸部脊柱管狭窄症の診察・治療の受け皿となるのが、整形外科・脊椎外科。
それぞれが専門分野をもつ6名の部長をはじめ、2名の副部長以下、研修医まで含めると19名を超す医師が診察にあたります。
治療にあたっては、脊椎グループ、関節外傷グループともに週2回のカンファランスにおいて、参加者全員で治療方針を決定。
そのため、さまざまな角度から治療法や治療計画を検討することができるため、患者1人ひとりの症状にもっとも適した方法で治療を受けることができるので安心です。
まさに、京浜エリア有数の脊椎外科を抱えるのが、関東労災病院といえるでしょう。
検査機器も、MRI、CTスキャン、骨密度測定装置、2方向イメージインテンシファイアー高性能手術用顕微鏡、鏡視下手術機器など、正確な診断を下すために必要な高度な機器がそろっており、頸部脊柱管狭窄症をはじめとしたあらゆる症例に対応することが可能となっています。
治療実績の方も、脊椎固定術・椎弓切除術・椎弓形成術(後方または後側方固定)の手術が120件(2012年度)と豊富にあり、個人差のあるさまざまな症状に対して、的確な治療を施してもらえるでしょう。
関東労災病院の整形外科・脊椎外科の頚椎症性脊髄症関連の治療では、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など脊椎疾患、良性骨軟部腫瘍など広範な整形外科疾患に対して保存療法や手術療法を行っています。
ですが、基本的に脊椎変性疾患は外来で徹底した保存療法を行い、痛みや歩行障害が顕著なものには、適応を選んで椎弓形成術や除圧固定術を行っています。
2017年の診療実績は、
以上のようになっています。
また、関東労災病院は、働く人の健康を守りながら、万が一、ケガなどをしたときには少しでも早く仕事に戻れるようにサポートするために設立された病院です。その目的を順守するために同病院には「勤労者リハビリテーションセンター」が設けられています。
同センターの主目的は疾患をもつ勤労者のリハビリによる社会復帰ですが、それだけではなく疾患と作業、職場環境などとの因果関係を調べデータを蓄積することで予防や早期発見、また、健康の保持や増進に生かすことで、勤労者を総合的にサポートするための研究。研修機関としての役目も担っています。
同センターは、医師、理学療法士、作業療法士などの専門家で構成されており、入院、もしくは通院による治療が可能で、脊髄の損傷だけでなく脳卒中や切断などのケガの方なども入院することができます。
脊椎外科の場合は、同労災病院の整形外科で腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症などの脊椎疾患で手術を行い、リハビリを行う患者さんは年間500名以上にもなります。
術後の体や患部の状態に応じて医師や看護師、療法士が連携、早い段階で離床できることを目指します。こうすることで体力や筋力の低下を防止することができます。離床を果たしたのちには歩行練習に移行。在宅や社会復帰を目指します。
勤労者のための病院なだけに、勤労者の立場にたち、1日も早い職場復帰、社会復帰を目指すためのプログラムが、病院全体で組まれています。
関東労災病院の整形外科・脊椎外科には6名の部長医師、2名の副部長が先頭にたち治療にあたっています。全ての医師が整形外科の治療も脊椎外科の治療も行うことができますが、脊椎外科は、2名の部長医師が中心となって治療を行っています。
東京大学卒業。日本整形外科学会では専門医と認定脊椎脊髄病医を、日本脊椎脊髄病学会では指導医をを務めています。首から腰まで、幅広い脊椎脊髄疾患に対応してくれます。
信州大学卒業。日本脊椎脊髄病学会、日本整形外科学会、日本側湾症学会などの学会に所属しています。
昭和大学卒業。 日本整形外科学会では専門医・リウマチ医・認定脊椎脊髄病医に、日本脊椎脊髄病学会では指導医になっています。また、日本体育協会の公認スポーツドクターでもあります。
千葉大学卒業。脊椎脊髄外科が専門ですが、整形外科全般に精通しています。日本脊椎脊髄病学会、日本整形外科学会などに所属しています。
東北大学卒業。本脊椎脊髄病学会では指導医、日本整形外科学会では認定脊椎脊髄病医・専門医になっています。
高知大学卒業。本脊椎脊髄病学会では認定脊椎脊髄病医・専門医に、ほかにも日本整形外科学会、日本脊椎・精髄神経手術手技学会、日本脊椎インストゥルメンテーション学会、日本成人脊柱変形学会などに所属しています。