頸部脊柱管狭窄症とは、背骨の中にある空洞部分が加齢や何らかのアクシデントによって狭くなり、神経などを圧迫することによって痛みやしびれを感じる病気の一つ。
最終的には外科的手術を施すことが治療法となりますが、症状がひどくない場合には保存療法などで様子を見ることとなります。
この際に使われる療法の一つが「通電療法」。この通電療法とはどのような物なのかを、詳しく解説していきます。
通電療法とは、患部付近に電極を指し、電気的な刺激を送ることによって、患部の痛みを緩和させる対処療法のことです。
電極自体はそのままにしておくことも可能となり、痛みの進行具合によって適宜調整されます。
内臓に関する通電療法は不適切とされていますが、頸部脊柱管狭窄症など、神経に関する保存療法としては、高い効果が期待できるものとされています。
そもそもは「麻酔」としての側面が強かったものであり、中国では古くから「鍼治療」が盛んにおこなわれてきましたが、通電療法も同じルーツを持つ療法になります。[注1]
[注1]一般社団法人 日本温泉気候物理医学会:低周波鍼通電療法の臨床的研究―筋刺激(筋 パルス)と 神経刺激(神 経パルス)の 検討―
頸部脊柱管狭窄症では、脊椎付近に電極を埋め込み、電気的な刺激を送り、痛みを緩和させます。
ただし、しびれに関しては効果を期待できないので、痛みだけの場合、もしくは薬物による治療が期待できない際に使われる療法だといえます。
脊椎付近に電極を埋め込む、と聞けば不安を感じる人もいるかもしれませんが、埋め込む電極はごく小さなものであり、取り外しも容易いので安全面から心配するようなことはありません。
ただし、麻酔としての側面が強かった療法であるだけに専門的な知識が必須となる療法です。
通電療法についてしっかりと実績がある医師を選ぶことが大切だといえるでしょう。通電療法を試してみたいと考えている方は、まずは病院選びからしっかりと吟味してください。