頸部脊柱管狭窄症は、症状の程度によっては入院や手術が必要になります。その場合、高い費用がかかるでしょう。そこで、誰でも手術が受けられるように高額療養費制度があります。ここでは、高額療養費制度の費用相場や手続きの流れについて詳しく解説します。
高額療養費制度は、入院や手術、高額な治療費によって家計の負担が重くならないように、上限額を超えた分の医療費が払い戻される制度です。
主に、一月分に支払った医療費が自己負担額を超えた場合に払い戻しを受けられます。この上限額は年齢や所得によって異なり、国民すべての人が適切な医療を平等に受けられるように負担能力に応じて定められています。
ただし、保険適用外の治療費や入院時の食費、差額ベッド代、交通費などは高額療養費制度の適応ではありません。また、加入している公的医療保険によっては、自己負担限度額よりも上限額を低く設定している場合があるため注意が必要です。
頸部脊柱管狭窄症の治療には、薬物療法やブロック注射、リハビリなどの保存療法と手術療法があります。手術には、主に除圧術と除圧固定術の2種類。実際に使用する医療機器は小型カメラが内蔵された内視鏡での手術が多くなりました。
そして、頸部脊柱管狭窄症の手術として、除圧術では約25〜40万円、除圧固定術では約60〜85万円の費用相場になっています。ただ、手術の術式だけではなく、入院期間やリハビリのスケジュールによって必要な費用は異なるといえます。
このように、入院や治療によっては費用が高額になるため、高額療養費制度を利用できる可能性は十分にあるといえるでしょう。まずは、手術が必要になった場合は病院で費用を確認することが大切です。
参照元:リペアセルクリニック(https://fuelcells.org/topics/20735/)
高額療養費制度は、加入している公的医療保険によって申請の手続きが異なります。一般的には、公的医療保険に費用を支払いした後に申請しますが、事前に高額な医療費と分かっている場合は事前に申請する方法の2つがあります。そこで、高額療養費制度の手続きについて、事前申請と事後の申請に分けて解説します。
あらかじめ医療費が高額になると見込まれている場合は、事前に申請することが可能です。加入している公的医療保険に申請し、限度額適用認定証を入手する必要があります。
この限度額適用認定証は、入院当日から退院日までの間に保険証と合わせて、病院の窓口に提示することで制度が受けられます。そうすると、退院時に窓口で支払う医療費が自己負担限度額までになり、家計の負担が抑えられるでしょう。
ただし、限定額適用認定証は有効期限があり、申請書を受付した月の1日から最長1年になります。申請書を受付した前の月は適用されないため、早めに申請することが大切です。
入院や手術などによって高額な医療費になった場合は、退院後ご自分で加入している公的医療保険に申請手続きを行います。この場合、医療機関の領収書が必要になるため、領収書はなくさずに保管しましょう。
ただし、事後の申請では一旦かかった医療費を全額支払いする必要がある上に、申請から払い戻しまでに時間がかかることがデメリットです。また、診療を受けた翌月1日から2年経過するまでの間に申請しなければ、払い戻しは受けられません。
よって、必要になる医療費や家計の状況を考慮して、事前申請か事後に申請すべきか慎重に検討しましょう。
頸部脊柱管狭窄症の治療費用は、術式や症状の重症度、治療期間や入院期間などによって変わります。年齢や所得に関わらず、誰でも高額な医療費でも安心して治療が受けられるように、手術前にしっかりと確認しておきましょう。
手術前であれば、手術や入院費、リハビリなどの全体的な費用感を知るために、まずは医師からの説明を受けることが大切です。高額療法費制度が適用されると分かった場合は、手術を受ける事前または事後すぐに必要な申請を行いましょう。
また、高額療養費制度で払い戻されない費用は、民間の医療保険を活用しておくと安心できるでしょう。