手先がジンジンするような症状や、力が入りにくい、物をよく落とすなどの症状に悩まされている方は多くいます。ここでは手のしびれを引き起こす原因について分かりやすく紹介していきます。
「しびれ」というと長時間正座をした時のジンジンするような感覚をイメージする方も多いでしょう。しかし手に力が入りにくい、感覚が鈍くなった気がするなどの症状もしびれの一つです。どちらか一方だけの症状が起きることもありますが、両方の症状が表れることも。
手のしびれは大きく分けて2種類あります。しびれの種類によって症状が異なってくるため、どのような原因で起きている症状なのかしっかりと確認しましょう。
脳に出血や梗塞が起きると、動きや感覚などを伝達・指示する領域に障害をきたしてしまいます。そのため脳梗塞や脳出血になるとしびれや麻痺などの症状が起こってしまうのです。しびれが起こる部位は、脳のどこで出血や梗塞が起きているかによって異なります。一過性脳虚血発作の場合は短時間でしびれが改善されることも。少しでも麻痺やしびれなどの症状があれば、早めに医療機関を受診することが大切です。
脳に腫瘍がある場合も脳血管障害と同様にしびれがでます。脳腫瘍だと、徐々にしびれが強くなる傾向があるのです。
変形性頸椎症とは年齢とともに、首の骨が変形して、骨棘(こっきょく)と呼ばれる骨にとげができた状態のことです。首の骨が変形することによって首の後ろを通っている神経を圧迫してしまい、しびれ・痛み・筋力低下などの症状を引き起こしてしまいます。
頸椎椎間板ヘルニアとは骨と骨の間にあるクッション材(椎間板)が外に飛び出してしまい、神経を圧迫する状態のことです。圧迫された箇所によって、しびれ・痛み・脱力など症状が表れる部位は異なってきます。
様々な要因で、神経の通り道が狭くなってしまい、しびれ・痛みなどの症状をきたします。一般的には60代以降の方に多い疾患です。
頸椎後縦靭帯骨化症とは、頸椎を支える役割のある後縦靭帯が骨化してしまう病気です。その結果、脊髄を圧迫することで、しびれや運動麻痺を引き起こすケースがあります。
第一肋骨と鎖骨の間にある隙間が狭くなってしまい、その隙間を通る末梢神経や鎖骨下動静脈を圧迫することで、手や腕のしびれ・だるさ・痛みなどの症状が起こります。一般的には首が長い方、なで肩の女性、20代の方が患いやすい病気です。
はっきりと原因が分かっていない疾患で、年間に10万人に1、2人程度の割合で発症しています。四肢の筋力低下・脱力感・しびれ・痛みなどの症状をきたし、左右対称に表れるのが特徴です。
手首にある手根管と呼ばれる部分において、神経が圧迫され、手のしびれ・痛み・運動障害などの症状を引き起こします。手首をブルブルと振ると症状は一時的に緩和されます。起床時はとくに症状が強く出やすく、痛みやしびれで目が覚めてしまうこともあるでしょう。突発性のものが多く、はっきりと原因がわかっていない病気です。女性に多く見られる傾向があります。
糖尿病になってしまうと、毛細血管に栄養が行き届かなくなり、末梢神経に障害をきたしやすくなります。そのため指先や足先などの末端部分が痺れるような症状が起こりやすいでしょう。悪化するにつれて、徐々に痛みへと変化していきます。
ビタミンB12・葉酸が不足することで起きる疾患です。疲労感や倦怠感などの貧血症状だけでなく、手足のしびれやチクチクとした痛みなどの症状をきたします。症状が悪化すれば、抑うつ症状や記憶障害などの神経症状が起きることもあるのです。
極端な偏食者や慢性アルコール過飲者などの場合、ビタミンが欠乏している状態が続き、神経障害をきたしてしまいます。脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群などです。
極度の緊張や不安など精神的に過度なストレスが加わった際に起こりやすく、何度も息を激しく吸う・吐くを繰り返し過呼吸の状態になってしまう状態のことです。息苦しさ・めまい・動悸・手足のしびれ・痙攣などの症状が起こります。